国際人になりたい-世界那么大,我想去看看

海外かぶれの次は、憧れの国際人に

【中国語】【中国語方言】【華語】‐大陸中国語 vs マレーシア・シンガポール華語

中国人が知らない中国語がある?マレーシア・シンガポール華語に特徴的な単語5つ


こんにちは.今日は大陸中国語と、マレーシア・シンガポール華語の違いについてお話しします.

f:id:xuexizhongwen3170:20180915113244j:plain
観光客で賑わうシンガポールの唐人街「牛車水」.


中国語(Mandarin)を公用語として用いる国は中国だけでなく、台湾・香港・マカオ、また多数の華人が暮らすマレーシア・シンガポールなどの国も例外ではありません.
これらの地域に住む人々は、主に普通话pu3tong1hua4(北京话bei3jing1hua4とも)と言われる標準中国語を話すことができます.私達が「中国語」と呼ぶのはこれに当たります.
しかし大陸中国人はこれを「汉语han4yü3」または「中文zhong1wen2」などと呼ぶのに対し、台湾の人たちは「國語guo2yü3」と呼びます.またマレーシアやシンガポール華人たちは「华语/華語hua2yü3」と呼ぶのです.彼らの多くは自分の「母語」は華語だと思っています.(余談:マレーシアで「国語」というとマレー語のことを指すようです.)

f:id:xuexizhongwen3170:20180915113340j:plain
華人の集まるナイトマーケットでは中国語の表記しかないことも.マレーシア・ジョホール州.

youtu.be
マレーシア出身の歌手・Joyce Chuの《馬來西亞查某(マレーシアの女の子)》.歌詞は中国語だが、大陸中国語と異なり、マルチリンガルなマレーシア華人らしい要素が散りばめられていて面白い.例えば「私は華語が話せる」と歌詞の中にある.



ちなみにここで私が言う「大陸」は中国本土を指します.恐らくこれは台湾と中国とを区別するために、主に台湾の人たちが使っているものなのですが、とても便利な言い方だと思うので私は日本語の中でも積極的に使っていきます.



さて本題に入ります.マレーシアやシンガポールの人達の話す華語の中には、教科書で習うような大陸中国語には見られない言い方が数多く存在します.今日はその中から日常生活で使えそうな単語を5つピックアップしてみました.
f:id:xuexizhongwen3170:20180915111602j:plain
①緑色
中国語では「绿色lü4se4」、信号機は「红绿灯hong2lü4deng1」.日本語で緑色なのに「青信号」と言ってしまうものは、中国語では「绿灯lü4deng1」と言います.一方でシンガポール人はこの色のことを「青色qing1se4」と言いますが、面白いことに彼らにも「红绿灯」が通じることも.「青」は大陸の現代中国語では色の名前として使いません.書き言葉や成語で見かけることがある程度です.したがって中国人は「qing1se4」という音だけを聞くと、若い世代の人ならば寧ろ全く同じ発音である「青涩(若くて未熟な感じ)」を思い浮かべてしまうかも知れません.しかしながら「青蛙qing1wa1(かえる)」、日本語でもチンジャオロースで有名な「青椒qing1jiao1(ピーマン)」という単語があるように、「青」という漢字には元々緑色の意味が含まれています.

②スプーン(れんげ)

スープを飲むときなどに使うスプーンは、中国に住んでいた頃はずっと「勺子shao2zi0」と呼んでいました.教科書などにもこちらが出てくるのではないでしょうか.しかしシンガポール人にこれを言ったところ、「いやいやそれはもっとデカイやつやろw」とツッコまれ、彼らは「汤匙tang1chi2」と呼ぶのだということを教えてもらいました.汤はスープ、匙はさじの意味です.また辞書に出てくる言葉としては「羹勺geng1shao2」「调羹tiao2geng1」などもあります.羹はじっくり煮込んでとろとろになったうまいスープのこと.調べてみると、これは中国東北地方のお年寄りの方が使うことがあるものだそうで、現代中国語においてはほぼ死語と言えるでしょう.

③風呂に入る
中華圏の人たちはバスタブを使わず主にシャワーのみで体を洗いますが、大陸の人たちはこれを「洗澡xi3zao3」と言うのに対して、東南アジア華人の多くは「冲凉chong1liang2」と言います.初めて聞いた時に全く意味の想像がつかなかった言葉の一つです.

④いつ
中国語の超基本単語として「什么时候shen1me0shi2hou0」を習いますが、私はずっと、なんだか長くて使いにくいと感じていました.(笑)しかしシンガポール人の友人がこれを「几时/幾時ji3shi2」と言っていることを発見してからというもの、私は所構わずこちらを使うようになりました.これは経験的に大陸中国人にもほぼ通じますが、いかにも「南方人っぽい」という印象を与えてしまいます.

⑤インスタントラーメン
インスタントラーメンについてはマレーシア・シンガポールにおいて「快熟面kuai4shu2mian4」という特徴的な言い方があります.「速く出来上がる麺」という言い方です.大陸中国語では「方便面fang1bian4mian4」とまさにインスタントラーメンの直訳を使います.また台湾や香港などでよく使われる「泡麵pao4mian4」「杯麵bei1mian4」という言い方もあります.「泡」は液体にものを浸す動作のこと.「泡茶pao4cha2(お茶をいれる)」や「泡澡pao4zao3(風呂に浸かる)」などの言い方がその例です.また杯はカップ、つまり杯麵はカップラーメンのことです.


冒頭では便宜的に中国本土とマレーシア・シンガポールとを区別していますが、正確には北方と南方の中国語の違いと言ったほうが正しいのかも知れません.なぜなら、マレーシアやシンガポール華人は元々中国の福建や広東から移り住んだ人がほとんど.彼らの多くは家庭内でスピーキングランゲージとして福建語や広東語、またその下位方言などを話します.つまり彼らの言う華語は、南方中国人の言語でもあるのです.したがって大陸中国南方でも、今回マレーシア・シンガポール華語として紹介した言い方は使われていることがあるかと思います.

北方・南方で単語の違いや訛りは様々ですが、冬を知らない赤道直下のシンガポール人と、中国東北地方の人が同じ母語を共有しているというのは中々面白いことだと思いませんか.